超伝導入門解説(作成中)
はじめに
本稿は、中島貞雄さんの超伝導入門という本を使用した私の学生時代(H10年)のゼミのノートからの転記です。BCS理論について記録として残しておきたくなりまして、第5章を中心にボチボチと書き進めていこうと思っております。
超伝導入門は、ボリューム感のない本ですが、行間が広く入門と言うには少し無理があるかなという印象でした。
- 作者: 中嶋貞雄
- 出版社/メーカー: 培風館
- 発売日: 1971/06
- メディア: 単行本
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もう絶版なんですね〜
良い本だと思うのですが…
BCS状態
BCS状態
はじめに対凝縮を表わす状態関数を定義します。
対凝縮の定義にもいろいろありますが、参考書にしたがって電子対波がコヒーレントな状態にあって、適当な位相表示をとったときに
が 0 でない値をもつことであると定義します。
このような位相を含んだ状態関数としては次のようなものを考えることができます。
ここで、$\theta$は位相を表すパラメータ、$B_{k}^\dagger$は3-3の(2)で定義された電子対生成演算子、$\varPhi_{v}$は電子が 1 個も存在しないという意味での真空を表わす状態関数、$u_k,v_k$は正のパラメータで次の関係を満たします。
(2)式をBCS 状態関数と呼びますが, ここでは, BCS 状態関数が(1)式のように定義されるワケについて考えてみましょう。 その前に少し準備をします。(2)の無限積は1-2 の(5)