安岡正篤 人間学
- 作者: 神渡良平
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2002/10/17
- メディア: 文庫
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安岡正篤氏は陽明学の大家であり、彼の思想が2.26 事件や、5.15 事件に影響を与えたとも言われることもある人物である。
氏に関する著作は、とある理由にて意図的に避けていましたが、3年ほど前に感想を書かざるを得ない状況になりましたので、その時の感想文の一部を紹介します。
もっとも印象的だったのは「北一輝、大川周明と同士であった頃、次第に疑問を持つようになり、青年教育に没頭したこと(P.213)」という行(くだり)でした。
論語然り、陽明学然り、網羅的な思索の体系は、部分を抽出することによりどのような都合にも適合させることができると考えており、従って、これらの言葉は様々な意図を正当化するために利用されやすい危険性と隣り合わせだと考えておりまして、氏は政治的な活動に都合良く利用されることを避けるために、政治運動と一線を画し、教育に没頭することとされたのではないかと感じました。